アンチマジカル 魔法少女禁止法
評判が気になったので読んでみました。
軽く知っても問題ない設定を箇条書きにすると、
・この世界にはたくさんの種類の魔法少女がいる(なのは、レイアース、プリキュアその他が全部いた、みたいな)
・それは世間に認知されている
・彼女たちは地球を侵略する組織などと戦った
・戦いが終わると、彼女たちは魔法少女になることを法律で禁止された
という感じです。類型としてはよくある話にしても、魔法少女でそれをやったという所に異端さがあるのかなと。
話はそれから10年後、未だに活動を続ける魔法少女がいて、それに助けられた主人公は魔法少女にあこがれて…と始まります。
が、痛快な話では断じてなく、むしろ気分が暗くなるようなことばかりです。魔法少女というジャンルが狙うターゲット(年齢層?)的に描かないような話を率先して描いているというか。
伏線の回収されなさ的に続きがありそうですが、果たして…。
以下ネタバレ
類型としてよくある、と思ったのは「超人的な能力を駆使してもうまくいかない」と言うことと、「力を持ちすぎたものは恐れられ迫害される」というあたりの話。
前者は『コードギアス』、後者は『ヴァンパイア十字界』が秀逸?かも。
また、魔法少女ものとかでそうならないのは、
・その力でなければ対抗できない敵がいるから
・人間社会と直接関係しないから
という話かなと。このルールさえ守れば、魔法少女の存在意義があり、かつ共同幻想が破られる心配もないので、現実世界の感覚とうまく折り合いがつけられるのではないかと。
この作品では、敵もいなければ人間社会に率先して関わっているので、そりゃ排除されるだろうと。
個人的には、主人公の感情が中心の問題とあまりに乖離しているのはどうなんだろうと。
始終ベリーのことしか考えてない辺り、話に一人くらい出てきてもいいけど、主人公にすえるとあまり機能してないような気がします。
というわけで、その辺がちぐはぐな印象だったので、こんな評価でした。