僕たちは監視されている

巷で何かと耳にするこのライトノベルがすごい!文庫。気になってはいたし、なぜかとても安かったので、ためしに買ってみた。500円しなかった…多分創刊キャンペーン的な何かではないかと思う。

かいつまんで言うと、IPI症候群という「秘密」中毒という病気とその病気に対処する公務員「コンテンツ」を巡る話です。

ストーリー自体は、結構直球でいい所いってると思います。最後まで読んだらそれなりに楽しめました。

ただ個人的には残念な点が多かったので、ちょっとその辺について。

まずIPI症候群というのはなんとも荒唐無稽でありえねーという感じですが、そこは物語。前提条件に整合性があればそれでいい。

しかしはたしてコンテンツの配信が、ニコニコ動画のようにリアルタイムでコメントしながらという形になるか?というと、そんなことないと思うけどなぁ…だって、他人と共有したら秘密じゃなくなっちゃうじゃないか。明らかに情報共有はこの病気の治療を妨げる。

それに患者たちの空気が中毒だったらこんなに軽いわけがないと思う。みんな血眼になって、殺気立って秘密を探すに違いないし、もっと排他的な空間を作ってないとこの病気の筋と合わないのではなかろうか。勝手な言い分ですけどね。

あとこれはもう完全に独断と偏見ですが、冒頭のシーンの警察官がまじ終わってらっしゃった…。まぁ、説明役としての登場なのは分かっちゃいるのですが、そうでも考えなければいらいらして読めないくらい嫌いなタイプの人間でした。無知は罪である。人の事言えないけど。

良し悪しでいっても、ここまでバカな人間で話を進めると、導入が妨げられている気がする。こいつが出てくるなら序文の背景説明は要らないし、背景説明があるなら、もう何か特別なことがあるのは分かるんだからそんなステレオタイプは捨ててさっさと内容に入ってくれてよかった。

僕は中身がよければそれでいいというタイプではないので、評価は辛くなりがちですね…。こまけぇこたぁいいんだよ!って人はいいかも。