ナルキッソス1・2
ステージ☆なな(配布元)
http://stage-nana.sakura.ne.jp/
神ゲー普及委員会で発見、フリーだったので早速やってみることに。
対象が全年齢なので特に問題なく紹介できます。まぁ最初から余裕でアダルトゲームの記事でしたが…
本作品は…音楽つきビジュアルノベル?なんだろう、キャラクターの立ち絵もそんなにないですし。声もあるなしも選択できます。
しかし、これは…まさに泣きゲー。最初から死ぬ間際の病人が主人公だなんて。こと泣きに関しては外さないテーマというか。
1は死にゆく人間がなにを思うか…というかそれまで自分で何も決めることなく、何も出来ることなく漫然と過ごしてきた人間が選んだこととは、と言う話。最初からそこに焦点が当たっているので、登場人物はほぼ2人だけ。
なぜ主人公がそんなに無気力かというと、死が眼前にありすぎで時間が連続する事が自明じゃなくなってるせい。『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』で主人公が死の間際なのに予想外にやりたい事がなくてボーっとしていたのを思い出しました。他人とのかかわりもないし。
2も基本的には同じなのですが、こちらは親友あり、妹あり、終末期医療に触れた経験ありの趣味ありで主人公の境遇がずいぶん異なるので、話としても大分雰囲気が変わります。
評価は1が★★☆で2が★★★★でした。
1は主人公の男の反応がドライすぎでうまく追えなかったのが原因の一つかなと…死ぬとなったとき、あの反応を取る人間にあまり共感できないと言うか。自分は無駄に煩悩ばかりあふれているので。
文章も1から2にかけて見紛うほどに…いや文章もそうなんですが、人物の厚みが随分変わった様に思います。
その人物自身の描写もそうですが、周りの人間との関わりがよく描かれるようになったので、人物像が多角的になっているのが大きい。
加えて、2はヒロインの行き着く先に震えました。後からじわじわ来る…
それに、なにせ声優がまきいづみさん。意外でしたがやはり素晴らしいの一言。
フリーでもこういうクオリティのものってあるんだなとしみじみ思いました。
2だけで単独でやっても全く問題ないので、個人的にはこちらだけでもやっておく事をお勧めします。良作。