空ろの箱と零のマリア 御影瑛路 まさかの続く

読了。

序盤からループ回数が1万回を超える何気にハードなループもの。結構人間の暗いほうからアプローチしてるけど肯定的というのは個人的には好み。

ミステリなのかな?テイストは出てるけど主体ではないので好きな部類。しかし学園ものでループしてるのに全く日常系の香りがしてこないのは不思議だ…。

少し硬めでどんどん潜行していくところは、レギオン辺りとテイストが少し似ているかも。

個人的にはかなり面白かったけれど、大手を振って万人に薦めるわけにはいかない気がするのも確か。

基本的に重い…明るいノリやコメディタッチな部分がほとんどないのが原因かもしれないけど、それによってこの雰囲気が出てるのだから仕方ない。


ヒロインの動機は強烈に語られていて、そのエネルギーたるやすさまじいものが…。反対に主人公の動機はあまり明かされていなくて、どうしてそんなに日常に固執するのかよく分からなかった気がする。

非日常を人並みに望むでもなく、日常をそんなに強固に願う…さて。

2万回を超えるループで磨耗してクラスメイトを殺しまくったり無気力無感動になったり、無自覚に傷つけ続ける陽明とか、暗い部分が目立つからこそ、ループの不当性とそのループ後の世界の鮮やかさが際立つのかな。

0といい、結構多くを残したまま「続く」になったので、どういう風に続くのか見当もつかないけれど、今後の展開に大きく期待。