映画版文学少女

映画版をさっそく見に行ってきました。

内容については、うわさの5巻ですと言うことで一つ。

その時点で予想外だったのだけど、中身としては、文学少女シリーズの心葉のトラウマ部分のみに焦点を絞って、最低限必要な要素だけを何とか取り出して作った映画と思えばいいのではないかと。

ではなぜここまで評価が辛くなるかと言うと…

まずこの映画は原作には準拠していない(シーンや設定に若干の変更がある)ので、映画だけで独立して成り立っていなければならない作品であろうということ(フェイトのとき言っていたような、補完的な見方という擁護はできない)。

しかし1巻から4巻の内容が飛んでいるせいで、芥川君や琴吹さん、竹田さん、流人の背景設定がカットされてしまっている。

原作5巻があれほど面白いのは、それぞれがそれぞれの背景を持って、互いを思いやりながらも自分の思惑でこの出来事に当たっている複雑な人間模様と言うところがあると思うのだけど、その辺がばっさり切られているというのは勿体無いんじゃないかなぁ…

それでいて5巻の大筋のシナリオが変わっていないため、結果表面上をなぞるのでなんとか手一杯になってしまっているように見えて。

いやこの本なので、思い切って美羽と心葉に焦点を絞り、いきなり5巻を映画化してだいたい矛盾なく一つの話にまとめたのは善戦したのではないかと思うけれども。

それを考えると、この企画自体がフェイトのアンリミ映画化くらい無茶な企画だったのでは。

そんなわけで、原作ファンの方は煮え切らず、未読者の方にはよさが伝わりきらない、どっちつかずの惜しい映画化となってしまったのではないかと思う。

雰囲気はつかめると思うけど、5巻の内容で比べるなら本のほうが面白いかなぁ…