俺の妹がこんなにかわいいわけがない6 伏見つかさ

安定なシリーズ第6巻。

共感できて、笑えて感動できる、色々おいしい一冊。


この本の面白いところの一つとして、地の文に主人公の心情が正直に描かれないところがあるのでは。1人称だから当然ありなんだけど、妹なんて大嫌いだとかいいつつどう見ても大好きです本当に(ry

しかしネットから始まる付き合いって確かに不思議だな…基本趣味が合ったりしてかなり仲良くなることもあれど、プライベートはおろか本名も知らない、なんてままあることで。まぁけどそんな仲でも芽生えるものはあるさ、という心温まる沙織回。

あと気になったのは桐乃の陸上か。リアは控えめに言って人間としてはかなり狂ってるようだし、常人の範疇ですごい人の桐乃じゃ陸上ではまず勝てない…あのバランスのよさってある意味凡人のやることだし。

本当に今のスタンスで続ければ勝てると思っていてのあの発言なのか、勝てない事は分かっているんだけれどそれでもこのスタンスでやるんだ!ということなのか、微妙なラインなのだけど。どうも聡い桐乃の事からして後者っぽいニュアンスと言うか、自覚的な面が少なからずあるように思う。

しかし勝てないことを認めてしまえば、陸上を続けていく理由がなくなる。だから勝つと言う(無理かもしれないと分かっていても)。

頑張る姿勢としては背水の陣みたいなものだけど、根性あるよなぁ…。普通この動機でこの状況になったらやめちゃうだろ、と思ってしまう。

きっとこういう人間なら、リアに絶対かなわないことが自明になる=陸上をする理由が支えられなくなる、と言う状況になって挫折したとしても、自分に納得してまた戦っていけるんだろうな…なんて。

いや、この推測が全部はずれで、実は前者で、また勝てなかった時にひと悶着ある、なんてのも十分考えられるんだけれども。ちょっとこれは妄想が爆発した感あるなぁ…。