『ベイビーステップ』17巻 ダーティ?いいえ普通です
- 作者: 勝木光
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/06/17
- メディア: コミック
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ベイビーステップの17巻を読みました。相変わらずすばらしく面白かったです。いやもうアツすぎ。
普通にネタバレするので一応隠します。
僕は単行本派なのでこの先の展開は知らないのですが、とりあえずいつかは出てくると思った「勝つためにはなんでもする」敵が登場しました。
いやー気持ちいいですね笑。手段を選ばないこの感じ。
しかし、エーちゃんは考えます。「でも…だからってなにをしてもいいのか?」
はい、なにをしてもいいんです。少なくとも僕の経験上ではそうですし、見てきた限りでも例外はありません。
他の競技は知りませんが、少なくともテニスではルール内だったら何をしても勝てば正義です。プレイヤー的にも正しい行動として判断します。
というか、高木君がやってることって、基本的には昔からプロもやってる「技」ですよね。
下サーは全仏の4回戦でレンドルと対戦してたとき足が痙攣したチャンが使ったのが有名かと思います。ちゃんと下サーうったポイントは取りました。
メディカルタイムアウトはまあみんなやりますよね。
最後の方に出てきたボディ狙いまくるのはレンドルの得意技だったようで、ブラッド・ギルバートは彼の著書で「レンドルと対戦するときは、私は生命保険をかけてから挑まなければならなかった」とか言ってた気がします。
ボディ狙うくらいで倒れてくれるならいくらでも狙ったろうじゃないか。ちょっとコース外せばチャンスボールになって沈められるリスクを負って打つんだし。
まあ相手への返球に関してはプロじゃ見たことないですが、僕の部活時代のシングルス1の得意技でした。相手側のバックネットまでぶっ飛ばして取りに行かせるとか平気でやってました。まあマナーで言ったら最悪ですが笑。
声だしもまだまだぬるい感じです。相手がサーブを打つポーズに入るまでは遠慮なく声出していいので「ファースト来いよー!一本先攻!」とか、それでフォルトになったら「セカンド、チャンス!セカンド先攻!」とか。
ダブルスだったらリターンしないペアは、コートの真ん中のほうに行ってサーバーの視界に入って邪魔をするとか、よくやったなぁ……という。
とにかくメンタルが重要な、ぶっちゃけ怒らせたら勝ちのスポーツなので、とにかくいかに相手を崩すかで自分より強い相手にも勝てたりしますから、そりゃ全力を尽くして相手を崩します。
一番ひどい話だと、かの有名なマッケンローは、マッチポイントを取られた後、ぶち切れて(そのふりをして)コート中を転げまわってアウトだと訴えて、結局そのポイントはアウトになって、再開されて勝ったという伝説技があったようです。
まあ、マッケンローは数々の名技を残していて、試合前にディフェンシブな対戦相手について聞かれて「ああ、あんな奴のスイングじゃ卵だって割れないよHAHAHA!」とか言っておいて、試合で普段のプレイスタイルじゃない強気なプレイをさせておいて勝ったら、「今日の彼は冷静さを欠いていたみたいだ」とか言ってみたり、もうなんかすげえよあんた!
え、そこまでして勝ちたいかって?
勝ちたいに決まってるじゃないか!勝つために全力を尽くさなくて何をする。
まあやらない人もそりゃたくさんいますが、作中でも言及されていたとおり、それはやらない方が自分のペースが保てて勝率が上がるからで、決してマナーを守るとかそういうお綺麗な話ではないです。
ああ、セルフでジャッジをごまかしたりとかになるとまったく別の話になるので、そういうことじゃないですが。ルールを守らなくなったら競技として成立しなくなるので、相手をラケットで殴り倒して勝ちとかと一緒になっちゃいます。
だいたい、綺麗に試合して、ダーティな相手に崩されて負けて、「あいつきたねえよ!」とか言ったってどう見ても負け犬の遠吠えですし、団体戦で自分の面子でそんなこと言ってる奴がいたらぶっ飛ばすレベルです。
ルール内でなら、すべてを駆使して勝つ。正しいスポーツマンのあり方だと思います。
とまあ話が大きくそれましたが(というかそれたまま終了していたので、つけたしですが)、そういうキャラの描写も本当にテニス「らしい」描写で、大変満足しているとまあそういう話でした。