STEINS;GATE 円環連鎖のウロボロス アレコレ
STEINS;GATE‐シュタインズゲート‐ 円環連鎖のウロボロス(2) (富士見ドラゴン・ブック)
- 作者: 海羽超史郎,huke
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2011/03/19
- メディア: 文庫
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毎度のごとく今さら感が漂います。気にしない方向で一つ。
傑作につき詳細は省きます。紹介も省きます。いいから読めってとこで。
今回はラストについて。
そのため、読んでない人は致命的なネタバレを食らいます。挙句になにを言っているのかさっぱり分かりません。ぜったいやめた方がいいと思います。我ながら本当にオススメしません。
ということでいざ。
以下ネタバレ
何が問題かというと、最後にオカリンにかかってきた電話がなんなのかさっぱり分からなかったことです。疑問を並べるだけでも
・なんでオカリンはクリスを助けただけではシュタゲに入れなかったの?
・なんで壊れた電話に着信したの?
・なんで取ったらシュタゲに入れたの?
・なんで電話を取った後のオカリンは記憶が連続してるの?
とオンパレードです。
順を追って概要を見ていくと、電話がかかってきたのはオカリンが二度目のタイムトラベルでクリスを無事に救って帰ってきた時です。
このときはクリスを救って帰ってきたにもかかわらずシュタインズゲートには入れませんでした。鈴羽とタイムマシンは消えちゃったけど。
そこでナイフを刺されて壊れた携帯が非通知で鳴ります。
非通知で鳴るのはタイムリープのときであるため、この電話はタイムリープ電話であろうとオカリンは推測する。
しかし、この電話を取ることで、全ての集大成であるはずの自分の記憶が消えてしまうのでは…という迷いがあってなかなか電話が取れない。
が、結局、この俺が失敗しても第二、第三の俺が現れるだけだ!と電話を取る。
するとなぜかシュタインズゲートに入れる、という話だったと思います。多少のバイアスは勘弁してください。
さて先ほど疑問として挙げましたが、最後の電話の要点は以下(のはず)。
・携帯は壊れていた(電源も入らない状態だった?)
・非通知でかかってきた(本当にタイムリープ電話だったのか?)
・取ったらシュタインズゲートに入れた
・取った後もオカリンの記憶は連続している
まず携帯は壊れていた件ですが、これについては結局よく分からなかったので、とりあえずなぜか着信したことにして話を進めます。
次に非通知でかかってきたことです。これが問題です。まず、本当にタイムリープ電話だった場合、取った後オカリンの記憶が連続していることが矛盾します。しかし、タイムリープ電話でなかったのなら、なぜこの電話を取っただけでシュタゲに入れたのか説明がつきません。このタイミングでただの非通知電話がかかってくるのも不審です。
普通に考えていったらこの辺で詰んだので、ちょっと観点を変えます。
そもそもなぜクリスを助けたのにシュタインズゲートに入れなかったか?という点から考えます。完全に妄想ですけど。
前提として、シュタインズゲートとは、クリスが生きてタイムマシンをSERNに開発させられた結果の、SERNの支配するディストピアとなってしまった世界でもなく、クリスが死んだ後タイムマシンのいさかいで第三次世界大戦が起こってしまった世界でもない、その隙間の世界です。
そこではクリスが生きていて、SERNが支配してもおらず、第三次世界大戦も起こらない。
というはずですが、この世界って考えてみるとけっこう無理ですよね。
論文を残しただけで第三次世界大戦が勃発するほどヤバイ論文を書けるクリス本人が生きてるのに、論文を廃棄した程度でシュタインズゲートに入れるのかというと、難しい気がします。
クリスがタイムマシン作っちゃうことに関してはオカリン達がんばって止めろよって話なのですが、まあ中鉢博士も健在なわけで(論文が燃えても、読んでいたので)、火種が消えたとは言いがたい。
つまり、この物語の後も実はいずれ争いが起こってしまう。今回の物語のような、タイムリープなどを駆使して戦う争いが。
そのときキーパーソンになるのはやはりタイムマシンの母ことクリスです。それなら、オカリンは絶対何とかしようと思うはず。
しかしここで一つ注意しておくことがあります。
この世界線のオカリンは、結果としてタイムリープの電話を一度も取ったことがありません。タイムリープ電話を取るとそこまでの人格・記憶は消えますので。
そして、電話がかかってきたときの迷いから分かるように、シュタインズゲートに「入ったかもしれない」、集大成ともいえる自分が消えるのに躊躇がありました。
つまりこのオカリンが「タイムリープ電話を取れるか否か」で、世界線が変動するのではないか。要は覚悟の問題です。取れれば、クリスが生きていても守って戦い抜いていけるシュタインズゲートへ、取れなければ結局争いが起こる世界線へ。
世界線の変動というのは、過去の条件を変えたことによる「現在の変動」なので、その場で世界線の移行が起こる、というのはかなり無理のある推論に感じます。
しかし今までの世界線の変動も、オカリンがその場で感じる前の段階のどこかでずれた瞬間があったはずです。その瞬間が今回に限ってはその電話を取るというそのタイミングだったのではないでしょうか。
そんなこんなで、これなら相変わらずなぜ電話が鳴ることができたのかは不明ですが、それ以外のことは説明できる…はず。
ピンからキリまで妄言ですが、そんなことを考えてしまうくらい面白い話だったということで、どうか一つ。
ついでに余談です。小説を読んだ仲間うちの話だとまゆしいはリーディングシュタイナー持ち(になった)という話で一致しました。これって結局どうなんでしょう?
オカリンが一月くらい熱を出して寝込んだ、というのがリーディングシュタイナーによるものと仮定すると、その原因はSERNです。その世界線ではSERNがゼリーマン実験をしまくった結果世界戦が変動しまくったのであれば、そのときまだピンピンしてたまゆりはリーディングシュタイナーではなかったはずです。
しかしどうも話の時期では、ずいぶんオカリンと話してないような気がするなあとか言ってたり、自分が死ぬのを何とかしようとタイムリープしまくったり、なんかルカ子の性別を間違えちゃったり、ともかくシュタイナー持ちじゃないと説明つかないよね、という感じです。
こういう話は、読み終わってもアレコレ考えられて楽しいですね。
まだ解けてない課題が山積みですが、今回はとりあえずこんなところで。