道は開ける その②

その①の続きです。

道は開ける 新装版

道は開ける 新装版



・良質な逸話と教訓を集めた本

現在、10章が終わったくらいでしょうか。

なんとなくこの本の性格が分かってきたような気がします。とりあえずこの本は歴史から教訓を学ぶスタイルです。帰納的な方法ですね。

膨大な体験談、ケースが紹介されており、ここから説得力が生まれているのだと思います。

かなり横断的ですが、そのぶん誰でも一つくらいは刺さりそうです。

確かに人間なんて理屈じゃそうそう対処できないわけで、この方法が有効なのは個人的には納得です。


・悩みに対する二つのアプローチ

前回のは悩みに「対処する」方法でしたが、それでも対処しきれない場合や、悩みによっては「解決」できるものも存在します。

ただそれを「悩んで」いると、解決に当てるエネルギーが失われやすいため、どうやって悩みを捉えるか、という方法論にも言及しています。

例えば、悩みを解決するプロセスとして、

1.悩んでいる事柄を詳しく書き出す
2.それについて自分にできることを書き出す
3.どうするか決断する
4.決断したらただちに実行する

とか、ある問題に対しては、

1.問題点は何か
2.その原因は?
3.いくとおりの解決策があって、それらはどんなものか?
4.望ましい解決策はどれか?

などです。

一見、当たり前で簡単なことに感じますが、本書を読んでいると悩みに対しては意外と実行できず、考えることに終始しがちなことに気づきます。方法論としてはっきりと打ち出しているのも興味深いです。

また、対処する方法について他に挙げられている方法は、


・考える暇を作らない
…頭を自由にするとどうしても悩みにとらわれがちになる


・小事に気を取られるな
…それに取られる時間でどれほどのことができるか


・避けられない運命には調子を合わせよう
…どうせ避けられないのなら覚悟を決めて受け入れよう


・平均値の法則で自分の悩みがいかに起こりそうにないかを考える
…ありそうにないことを心配しても仕方がない


などです。本の中では詳しい解説と、それを裏付けるエピソードがたくさん読めます。


・実存の悩みに使っていいのか…?

ただふと思ったのは、これって実存的な悩みに当てはめるとたまにやばいことになるのでは?と考えないではないです。

答えのない問いなので、まさしく当てはまると言えば当てはまるのですが。いっぺんちゃんと考えといた方がいいんじゃないのかなぁ?とは思います。

そんなわけで、実存に悩んでいる場合、合わせて読みたいのはこの辺↓


アウトサイダー (集英社文庫)

アウトサイダー (集英社文庫)

ものぐさ精神分析 (中公文庫)

ものぐさ精神分析 (中公文庫)

幻想の未来―唯幻論序説 (講談社学術文庫)

幻想の未来―唯幻論序説 (講談社学術文庫)

不幸論 (PHP新書)

不幸論 (PHP新書)

この辺についてはもう少し詳しく書くべきのような気はしますが……まあいずれ。