カンピオーネ! 12
カンピオーネ! 12 かりそめの聖夜 (スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 丈月城,シコルスキー
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/05/25
- メディア: 文庫
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・神話を題材にした頂上決戦バトル
美少女とキャッキャウフフしながらバトルも熱い、さらに神話の教養も身についちゃう!?
ストレスなく読めて、割とスカッとしたタイプの面白さ。だいたいそんな印象です。
この小説の魅力は大きく分けて二つあると考えています。
一つは、神話に解釈や体系立てを加えて「知る喜び」をくれること。
二点目は、主人公の扱いが巧みなことです。
・教養が増える楽しさ?
それがバトルにおいてキーポイントなのも大きい。別に役に立つと言うわけではありませんが、教養っぽい現実にリンクした内容だとかなり楽しみが増すように思います。
知識が増えるって言うのはストレートな自己拡大手段ですから。物語で興味を引きつけながら自然に知ることができるというのはとても効果的でうまいと思います。実際に身についているかは別として、読んでいる時点で知る楽しみがあればいいのではないかと思います。
・巧みな主人公の扱い
主人公の戦闘力の格が非常に高い(世界で7人しかいない!)のですが、それを真っ当に扱っているため、ほとんど王様みたいな扱いをうけます。これがまあ悪い気分はしませんしね。主人公が無力なタイプの話と言うのは感情移入はしやすい反面、心地よくは読めないという欠点を抱えてしまいますし。まあ方向性次第だと思いますが、こういう分かりやすいバトルで沸かせる話には良く合っていると思います。
その他にも主人公が驕らない所とか、学校や家族には特に周知されてないため日常とのバランスもいいです。ハーレムも当然のようにばっちり押さえています。
・エロシーンが人を選ぶ…?
エロシーン……というと濡れ場があるの!?ラノベで?と思われそうですが、そうではありません。やたら濃厚なキスシーンが割と頻繁に(一巻に一度くらいのペースで)数十ページはさまれるだけです。
それどう考えてもナニの代償行動でしょって話ですし、巻が進むとエスカレートしていくので、人に薦めるときに若干のためらいを覚えないではありません。
全体のバランスに貢献していると言えばそうなんでしょうけれども……アニメどうするんだ。ガチでやるんだろうか。
なにはなくとも、アニメ化する実力のある作品ではあると思います。