クオリティを因数分解する

・面白さを支える「クオリティ」

前回の記事、

面白さを因数分解する

では、物語の持つ面白さの要素を全て(?)書き出す試みをしました。

しかし物語について考えると、これらだけでは表現できなり部分があります。それは「クオリティ」です。

いかに面白い要素がたくさんあったとしても、クオリティが低ければ話としてはどうにもなりません。ヒドイ言い方ですが、まあお金を払っているのもこのクオリティに対してですから。

しかし一体何が物語のクオリティを決定しているのでしょう。

それが分かればクリエイターの方々は誰も苦労しませんので、難しいところだと思うんですが。多分物語のハウツー本はひたすらこの辺を追求しているのではないかと思います。

どうせ素人考えでは歯が立たないので、偉い人に任せるのが無難なのですが、「読み手としてどういう観点で評価したらいいか」位は提供できるかもしれないと思い、ちょっとやってみることにしました。


・クオリティの因数とは

とりあえず例のごとく図にしてみました。全体図を以下に示します。

現状ではこんなところではないかと考えています。前回のと違ってずいぶん表現も項目も曖昧ですが、ご容赦ください。

個人的には、それぞれの要素はどうやって評価するんだ?というのが分からないので、何も言ってないのと大差ないような気もします。

順番に見ていくと、

①キャラ
まあキャラが大事なのは言うまでもありませんが、キャラが良くても面白さの要素が全てなかったらなんにもならない、と考えたため、面白さの要素の中ではなくこちらに分類しました。

中身としては、
(i)あこがれる(萌える)
この二つを一緒にしていいのか?と思ったんですが、キャラの魅力という意味では一緒だろうという意味で。
(ii)インパク
何千というキャラクターに触れる以上、何がしかの特徴がやはり必要かと思います。無駄に語尾を変えたりするのは本当に無駄だと思いますが……

②リアリティ
私としては最重要項目なのですが、あまり重視されない方も多いです。例えばある特殊な設定があったとき、それのある社会は本当にそういう形になっているか?ということです。又は人間って、本当にそういう考え方、感じ方をするかな?とか。あまりにご都合主義とか、そういうのもここに含まれます。まあ主観的な評価になりがちですけどね。

(i)人間が人間らしい
(ii)合理性がある

この二つです。

③文章
これも外せません。有名な小説家の方は、「プロットはもはや100年前に出尽くした。我々が売るのは文章だ」と言ったくらいです。うまい文章とは何か、これも諸説ありそうなのであまり深くは突っ込めませんが、だいたいラノベにおいてはこんなところでしょうか?

(i)読みやすさ
(ii)表現力

④構成
そんなに気になることは多くないのですが。やたら視点の切り替わる群像劇とか読むと、なんだかなあ、と。あと途中でやたら過去に戻ってよく分からなくなる話とか。そう考えて、ここでは、

(i)理解しやすい
(ii)意図に適している

この二つにしました。(ii)はまあ、例えば最後の一文でガラッと全体が変わって見えるとか、野村美月文学少女シリーズみたいな思わせぶりな前振りとか。そういうことです。

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正直こっちは非常に感覚的な部分が多く、普通に読むときは勘と経験で判断しているので、書き下すのが難しいですね。いや、評価する選球眼自体もそんな大したものではないと思いますが。

最近はこっちが課題だと思っているので、引き続き考えていきたいです。