剣の女王と烙印の仔Ⅲ


杉井さんのファンタジー最新刊。

主人公が恐ろしく強かったり、1千の兵で1万を相手取ったり、結構とんでもない話が盛りだくさんなシリーズ。

けどその分絵になりそうな場面は多いし、戦争という意味では毎巻軍師が知略で勝ち抜くのでしっかり(?)してます。

今巻ではその軍師…兼大将なのですが、彼女が特に光ります。目的のぶれない強さというか、この人ほとんど一人で戦ってるようなもので、やはり指導者は孤独なのか…と。加えて、倒した後のビジョンまで明確に持っているキャラクターは割と稀かもしれない。

しかしながら、主人公の動機が戦争の理由と離れたところにあるから、戦争していても何だかそっちのけで主人公の行方が気になってしまう…。なんか、戦争することに一緒になって盛り上がっていけない…こう、勝って退けるところにあまり意義を感じないという。

個人的にはそんなんになってしまってかなり惜しい気分でしたが、主人公がようやく前を向きはじめて、目的も定まって。次巻からこの問題も解消されるような気がして楽しみです。