劇場版 Fate/staynight  Unlimited blade works

テスト終わって開放されたノリでなのはとはしごで見てきました。なのはも後で書きます。

とりあえずネタバレする前に言えることを。

この映画、PC版やってる人から見たらとても良い映像化だったのではないかなぁと個人的には思います。とにかく派手で、終始バトルシーンはとんでもない迫力。スピーディで息もつかせない展開と言い、それが見たかった!と思っていたので、大満足でした。中身自体は脳内補完がきくので。

なんだろう、映像化したら見栄えしそうな所だけ取り出して映像化したというか、映像化してほしいところだけしたと言うか。大体原作全部映像化なんてどうしたって無理があるわけで、潔いかなと。

むしろPC版と逆?PC版で剣閃のやり取りだけでバトルを脳内補完していたのを、今度は情報がないのを脳内補完しつつバトルを楽しむという。

だからこの映像から入った人は、映像に魅せられてPC版をプレイすると、今度は映像が鮮明に脳内再生できてやたら描写が濃密なPC版を心ゆくまで楽しめるという話で、そう考えると新規さんも実は狙い目なのではないでしょうか。

ああ、この映画は原作とセットと考えればいいのか。展開自体は多分ほぼ全く同じだし。それが良い悪いというのはあるかと思いますが、そういう位置づけならばっちりの映像化だと。シナリオは原作が元々神がかっていると思うので、変えたって仕方ない気もしますし。

まぁ自分がPC版のよさをどれくらい分かってるのかとか、その良さと考えているものが良い見方なのかとかそういう所はあるものの。何年も前にやったので結構忘れてますので。

しかし逆に言ってしまえば、原作なしでこの映像だけ見ても間違いなく何のことだかさっぱりわからず、ほぼ全く原作の魅力が伝わらないんじゃないかということでもあるわけで…。

特にアニメ版を見て大丈夫だろうと思って見に来た人は全く大丈夫ではないと思います。2周目だから飛ばす、というのと全く違う部分まで色々と大幅にはしょられてるので。

映画だけで見た疑問点を挙げていくと、1週目で説明したからはしょった部分は除くとして、

以下ネタバレ


・サーヴァントが言うほど強くなくない?凛がキャスターにやたらすんなり勝ってるように見えるし(どれだけ凜が奇策を弄し宝石などの切り札を用いたか全く描かれない)、士郎が随分あっさりサーヴァント達に対抗できてしまっているし(士郎がこの聖杯戦争で強くなっていく部分はほぼ全てはしょられている)。

・言うほど固有結界大したことないんじゃ…?士郎がすぐ使えている所といい、アーチャーが使うも士郎に割と簡単に防がれてるし…

・アーチャーが魔力の供給絶たれてからも別にそんなにパフォーマンス落ちてない気がする

・なぜアーチャーがわざわざ裏切るような真似をしてルールブレイクさせたのか分からない(忘れただけでちゃんと説明されてたかも)

ゲイボルグがロー・アイアスを貫通してダメージが通ったようには見えない(というか、ロー・アイアスもなんも説明なかったかも)

・ちょっと士郎の生き様の歪さは説明的過ぎないか…?唐突に凛の長い台詞が…

・これだけ見ると半分くらいの登場人物意味なくないか?
イリヤ→最初出てきただけで心臓くりぬかれて死亡
バーサーカー→最初活躍しただけで、金ぴかのかませ犬になりすぐ退場
ライダー→結界を張るも何者か(映画だけ見てるとかなり不明に見える気が…)に瞬殺されて退場
言峰→序盤に意味深な台詞を残すも、かなりあっさり死亡
先生→自慢の拳法を駆使するもあえなく串刺しに
桜→空気

まだあった気がしたのですが忘れました…

そのほかにも、いかに凜が苦労してわかめを担いで脱出したかとか、アーチャーVS士郎の盛り上がりとか、PC版なしで見たとしたら分からない部分が過半かと…。さらに1週目の知識がないと、各人物とサーヴァントが抱えている事情がほぼ分からないという、もはや分かることのほうが圧倒的に少ない状況なのでは。

むしろ、バトル以外の部分も、シナリオ自体が変わらないようにするために最低限加えなければならない場所だけ加えたというほうが正確かも知れない、というくらいはしょってる気も。

そんなわけで、原作プレイ済みな自分としては大変満足だったものの、この映画単体でお勧めできるようなことは決してないのでした。

先ほど言ったように、この映画から見て原作に入るのはもちろんありですが、この映画だけ見て満足できるか、と言う意味で。

とりあえず、激しく原作をやり直したくなりました。やろうかな。