ニーチェ入門 竹田青嗣 原文との差をみて感心することしきり
色々と差し置いて入門してました。
なぜかと言うと、ニーチェは価値判断なんかの思想でかなり根本的な部分を考え抜いた人だったようなので、ほかの事を勉強するにしたってとりあえずこれ読んでからほうがいいな、と。
で『ツァラトゥストラ』は家にあったので試しに目を通してみるかと思ったものの、正直何を言っているのかさっぱり分からない。日本語でおk。
入門書は違う人のフィルタがかかっているのでどうか、と思ったのですが…そもそもそんなこと気にする能力がないのが一点、後はこの人ならまぁいいかというのと、読めないよりはよっぽどいいってことで。
というわけで原文を読んでないのでこの本の解釈が正しいかなどは全く分からないのですが、原文投げた人でも普通に読めました。というか分かりやすくなりすぎだろ!と。本文で引用された原文の時点でかなり削がれるというのに…よくぞここまで。
しかしなにせ二百ページ強でニーチェの思想を全部説明するので、流石に「徹底的に掘り下げた」のを具体的にどうしたかという辺りはかなりはしょられていて、結論とそれに必要な最低限の論理だけが取り出されている印象。
入門にはかなり好条件がそろった本だと思いました。
構成は4章立てで、大まかに目次から取ってくれば
1、悲劇について
2、キリスト教批判について
3、超人、および永遠回帰について
4、力への意志について
となっています。
1では、そもそも悲劇の概念の核とは何かから始まり、ゆえに悲劇とはどうあるべきか、ということを。要約すると、悲劇とは、「人間は欲望の生物で、多くの矛盾を孕み苦しみに満ちているが、それでもこれを肯定的にとらえること」を直接心臓にたたきつけるもの、ということになるだろうか。
2の批判では、そもそもキリスト教の隣人愛とはルサンチマンによるもので、人間の本質的な生の欲望を否定するものだと徹底的に否定したことが中心。
次に3では、キリスト教的なルサンチマンの思想に陥らないために考え出した「超人」と「永遠回帰」について。生への欲望から出た快や悦楽を糧にして生きてこそというところと、ニヒリズムを突き詰めた先にこそ行くべきという。この辺は復習の必要あり…。
4は様々な観点から力への意志とは、を。ものの認識と欲望は切っても切れない、そもそも規範として力への意志がある、価値の根本として、などなど。
3と4は特に理解甘いなぁ…説明しろといわれたらできない。要復習。
むしろそれぞれ単体で内容を自分の中で整理して、人に説明するべく記事にしてみるものいいかもしれない…
復習終わって他の読みたいものを一通り読んだら原文かな…。まずは『道徳の系譜』が一番とっつきやすいらしいので無難な予感。