Angel beats!

火曜日の分ですが、何となくもう書けたので。

とりあえず何を貼ればいいか分からなかったのでDVDを。

しかし面白かったなぁ…毎週末を楽しみにさせてくれたこの作品に感謝。

もう本当、とにかく面白いアニメだったと思う。

先の読めない展開(肩透かし的な意味でも)、会話や明るい日常の話を楽しみつつ、要所で感動ものなストーリー。明確に打ち出されたテーマ性。

エンターテイメント性が実に充実した作品だったように思う。

まぁ、ある意味それはとてもあざとい事だと思うので、その辺で反発を招くことはありそうですけど。

感動の場面の作り方が結構唐突な気もしますし…ゆいとか、直井とか。いやもう勢いに押されてぐっときてしまったので個人的にはいいことにしましたが。

以下ネタバレ
とりあえず微妙に長くなったので、
・テーマについて
・音無とゆりが消えたことについて
・メッセージについて

と3つに分割したいと思います。あえてサザエさん的な言い方は拒否します。

・テーマについて
物語は二転三転していったけど、終わってみれば確かに「不遇だった人生とどう向き合うのか?」という点に関しては一貫していたと思う。

いや出だし的にはこの展開なら神がいて、それに抗ううんぬんという話になるのかなと思ってたけど。再三にわたって神がいないことを「俺の人生を誰がこんなにした!許せない!」と息巻くSSSメンバーに(主にゆりに)突きつけて、そこに何かがあったんじゃなくて、ただそうであっただけ、と強制的に納得させる。

それでも地球は回っているというか、なべて世はこともなしというか、不遇な人生を送った人間に対しそのことを突きつける。そういう意味ではひどい話かも…「そのことに対しては救済も、納得できる説明もない!」ということだし。

ただ、そのことを「納得するチャンスを与えてくれる」この世界はとてもやさしい世界であると思います。いや現実、そんなチャンスは与えられないであろうわけで。

不遇だったけどその未練はこの世界で無事果たせた、というのと、不遇だったし未練も果たしていないけど、この世界ですごした日々が幸せだったからそれでいい、と似てるようで違う二つのケースで成仏してるようだけど(もしかしたら後者に見える人も、見えないところで前者だったのかもしれないし、何か直接は関係ないものの代償的に昇華して納得できたのかもしれないけど)、どの道自分の人生に納得していることに変わりはないのかな。

序盤で言ってた「授業を受けるふりをして消えていった」連中も、どこかで納得したんだろうなぁ…あとなんで未練がないのに消えない人と消えちゃう人がいるのかと思ってたけど、「この世界での人間関係に未練がある」場合でも残れたみたいですね。日向の、あいつが心配だから最後までいてやるよ、的な。

・音無とゆりが消えたことについて

他に気になったのは音無の話。彼は結局消えたのか?という疑問ですが、消えたんじゃないかと思います。

最終話で、

奏「結弦、お願い。さっきの言葉、もう一度言って」
音無「ッ!そんな…いやだ…奏が…消えてしまう」
奏「結弦、お願い!」
音無「そんなこと…できない!」
奏「結弦!……あなたが信じてきたことを、私にも信じさせて。……生きることは、すばらしいんだって」

で結局奏は消えてしまうわけですが、この問答から、音無は奏が消えることを分かって言っていたはずです。

奏が納得して、消える=次の人生を生きるために永遠の楽園を放棄する(∵生きることはすばらしいから)ことを選んだのを認めた音無であれば、前の迷い込んだ人と同じ轍は踏まないで次の人生を生きることを選択するんじゃないかなぁ、と想像します。元から納得して消え、次の人生を生きることには賛成するスタンスだったわけですし。

まぁ、なんだかんだ最終話EDでもちゃんと音無消えてますし。で、転生してもう一回奏に会えたよと。なんという奇跡…しかし奇跡は麻枝さんの十八番なので仕方ない。

あと友達に、ゆりって何で消えたの?あの妹達との会話って妄想じゃないの?と聞かれたのですが、ゆりはあれで納得したと言うよりは、戦線メンバーに愛を抱いたゆりが、今度は彼らを守れたという代償行動によって納得できたのではないかと考えます。

・メッセージについて

しかしなんというか、この設定であっさり超越者の存在を否定して、さっさと個人がどうあるかと言う話に行くのってどうなんだろう…。けど、肩透かし(事前に情報を投げておくけど、実際は大きく異なる)を技として使っているアニメだったし、そんなこともあるのかなぁ。

そこで腐りながらこのアニメを見ている君!まだこのアニメが見れてるってことは、今までの人生が不遇であったとしても、登場人物の彼らと同じように、まだこれからがあるんだぜ!ファイト!

というメッセージが飛んでくるようでした。まぁ不遇と言わず単純に、能力とか、環境とか、容姿とかも含めた、持って生まれた人生の理不尽さ全て、と言ったほうが適切かもしれませんが。

その実、大雑把で説得力十分と言うわけではないですが、厳しくも前向きでやさしいメッセージじゃないかなぁと思います。

脚本とかにケチをつけようと思えば沢山つけれそうですが、そこは妄想力でカバーして楽しんだもん勝ちということで。いや評価的にはその辺若干差し引いてますが…。

個人的にはよいアニメだったと思います。麻枝さんGJ!