マグダラで眠れ つかみどころのない面白さ
- 作者: 支倉凍砂,鍋島テツヒロ
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2012/07/10
- メディア: 文庫
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※2節以降ネタバレ
・科学者としての錬金術師がいる世界
表紙の人どう見てもインなんとかさんですよね……いやどうでもいいんです。けどどうしても言わずにはいられない。
中世欧州で錬金術師とは一体どんな存在だったのか?をうまく描いていると思います。
サイエンスの話はともかくとして、その社会的な立ち位置なんかの描写がしっかりしていて、組織の利害関係とかが常にバックグラウンドにあるのは、『狼と香辛料』の人らしい。
だいたいラノベでは、組織や社会とのつながりが極めて単純化されるか、あるいは無視される状況設定の話が多いので、こういうのは嬉しいです。
ただこれ、個人的には何かしらの偏りを持った話というよりは、普通に恋愛ものとして読んだ方がいいのかなという気がします。
・面白さはどこと見るか
この話は「前任者のトーマスはなぜ死んだか?」という謎を中心にして進みます。
ただ中身の話としては、錬金術がいかに素晴らしいかとか、フェネシスを手玉にとって弄んだりとかの話が多いので、むしろボーイミーツガール的な面白さの方が強いような、妙な按配です。
最終的にもフェネシスとクースラが信頼関係を得るまでの話なので、ミステリの結末はクーリングダウンに感じました。
クースラが自分の人間性を再発見する話もあります。私はあのロジックは賛同しかねる部分もありますが……まあ論理的にはアリかと。
結局どれがポイントなのか?はもう少し考えて見ます……答えが出るかは分かりません。
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あまりに前評判で錬金術と聞きすぎて、一体どんなガチサイエンスなんだろうとハードルを上げすぎたせいで肩透かしを食らいましたが、普通に面白く読めたので良かったと思います。