かもめ高校バドミントン部の混乱 スポ根という絶滅危惧種

かもめ高校バドミントン部の混乱 (メディアワークス文庫)

かもめ高校バドミントン部の混乱 (メディアワークス文庫)

・貴重なスポ根ラノベ

そういえば見ないな、と思う。

スポ根もののラノベのことだ。昔からそうたくさんあったわけではないが、『銀盤カレイドスコープ』『暴風ガールズファイト』など良作揃いである。

本書の熱血具合はそれらに勝るとも劣らない、まさにスポ根だ。努力・友情・勝利である。「混乱」とついているので何が起きるのか?と思うが、びっくりするほど真面目にバドミントンしかしない。

バドミントンの描写がどれくらい真に迫っているかは分からないものの、手に汗握る臨場感があるのは確かだと思う。

登場人物が大体男で、潤いがないわけではないが実に男臭い話である。もはやライトノベルとは言い難く、あさのあつこ著『バッテリー』の読み心地に近いかもしれない。

ハーレムものにそろそろ飽きた、という人にはいい刺激になるのではないかと思う。