やはり俺の青春ラブコメはまちがっている6 ぼっち無双
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (6) (ガガガ文庫)
- 作者: 渡航,ぽんかん(8)
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/11/20
- メディア: 文庫
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※2節目以降ネタバレ
・ぼっちを本気でエンターテイメントにする快作
アニメ化も決まった絶好調のシリーズ第6巻は学園祭。
とにかく読み口が軽い。軽快な1人称語りや、飛び交う会話のいいテンポに乗っているうちにあっという間に読めてしまうし、これでもかというパロディのギャグも個人的には刺さる。
それにもかかわらず自意識の暴き具合は尋常ではく、身悶えることも少なくない。冗談に昇華できていることにむしろ感心してしまう。手法としては『中二病でも恋したい!』に近いが、よりリアルな人間関係内でやられるので、結構こたえる。
主人公のぼっち力は『はがない』のようなやさしさを想像していると痛い目を見る。逆に『はがない』なんて結局ハーレムで物足りないという人は手に取ってみるといいかもしれない。
とはいえあくまでエンターテイメントなので、周囲のキャラや主人公の見る目が鋭い辺りでうまくバランスを取っている。本当にイタいだけの話を読みたい人は『人間失格』あたりが近いように聞いているので、そちらを薦めたい。
・八幡無双
この話の魅力は、「俺TUEEEEE!」というタイプと少し似ていると思う。
主人公の八幡は、過去に自意識が過剰であったがゆえに、そのせいで犯しうる失敗の多くをすでに経験している。このため、周りの高校生が幼く見えてしまうほど、ひときわ他人を冷静に見ることができるのだ。
その視点を持っているがゆえに、状況にに応じて適切な対応を取ることができる。彼はぼっちであるという私たちを安心させる要素を持ちながら、その類まれな観察力と実行力で私たちの欲望を満足させてくれる。
また彼がぼっちであることはさほど不可解ではない。他人に嫌われるといった理由ではなく、単純に彼の方から距離を取るからだ。このあたりを完璧にこなせない辺りが、八幡を人間らしくして、またぼっちに臨場感を与えていると思う。
それはともかく、特に今巻は八幡無双が顕著だったと思う。彼は実行委員長の自己正当化と欺瞞を暴き出して、衆目の元にさらけ出した。実に爽快だった。
ただ、普段私たちはこれらについて妥協しながら適当にやり過ごしているのだから、ことさら強調して暴露した主人公が敵視されるのは自然な流れでもありそうだ。一方でその結果を評価する人間がいることも確かだが。
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いまいちまだ掴めていないような感じがします。個々の要素は何となく分かるのですが、総体として見たとき違う面ができているような。まあしばらく続くと思いますので、気長に考えます。
はがないを引き合いに出していますが、別にdisりたいわけでは決してありません。いつも腹抱えて笑ってますし。ただ傾向として少し似ていたので、比較の対象にしただけです。あしからず。