Fate/Apocrypha (書籍) 広がり続けるFateの世界
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・Ifなのか?重ならない世界で描かれる聖杯「大戦」
本書の位置づけをFateをなにも知らない人に説明するのは非常に困難なので、あくまで前提としてFateの知識を持っている人に向けて紹介したい。だいいち、本書から入る人がいるとも思えない。
本書は本編でも前日譚でもなく、少なくとも違う軸における世界の話を描いている。よって、魔術や聖杯戦争以外のつながりはさほどない。今回はFate/Zeroのような世界観の広がりを楽しむというよりは、設定を使った新たな形の物語を楽しむような方向性だ。
今度はなんとサーヴァントが14人になり、7対7で「大戦」を繰り広げることになる。さすがにキャラクターが増えすぎて薄味になりはしないかと恐れていたが、どうも無用の心配だったように思える。さすがに本編ほどメジャーな英霊がそろっているわけではないが、キャラクターとしての魅力は劣るものではない。
また、全員が聖杯を狙っているだけあって、素直に2つに分かれて激突とはいかない。この辺の一筋縄ではいかないところが面白い。
まあ東出祐一郎氏はかの傑作『あやかしびと』のシナリオを描いているわけで、安心して読んでもらえばいいと思う。
こうした外伝を読んでいて思うのは、あとがきで作者の方も触れていたことだが、みんな実に楽しそうにこの世界を書いているな、ということだ。世界観のブレなさや、設定の使い方からひしひしと伝わってくる。
クリエイター側に愛されているミックス作品というのはまず外れないような気がするので、楽しみにしつつ今後も追っていきたいと思う。
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一巻だとまだ内容について書けることがほとんどないですね…。