エスケヱプ・スピヰド3 構造がシンプルすぎるかも…?

※2節目以降ネタバレ

・ハイスピードバトル・エンターテイメント

相変わらず、手堅く良質なエンターテイメントとなっている。概要は例のごとく前巻の感想などを参照されたい。

最近の巻は、今時珍しい少年漫画のようなストレートさが売りと言えそう。話としてもシンプルで分かりやすい。

ただ、1巻の頃からすると、やはり少しテーマ性が弱いように見える。敵方の動機が少し物足りないからかもしれない。

・亡霊と二極対立

今巻から登場する敵方のボスは、ただ「戦いを終わらせない」というスタンスである辺り、さほど重要なテーマを持っていない。

背後に控える存在を予感させる描写があった気がするので、この後もう少し複雑な動機を持つ敵が登場するかもしれない。ただ現状では、単純な2勢力の対立を描くだけに留まっている。

基本的に主人公がいると、だいたいは主人公の所属する組織が善≒正義にならざるを得ないので、話がどうしてもシンプルになってしまう。1巻のように、個人の動機をしっかり描く目的であれば問題ないが、組織を描くと、話がシンプルであることが少し物足りなく感じる。

二勢力の対立から漁夫の利を得ようとしたり、敵の勢力の中にも違う目的を持った人物などが現れるとだいぶ変わってくるのではないかと思う。そのあたりを次巻には期待したい。

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まあなんだかんだ安定して面白いですし、特にロボット関連の描写は随所に光る所があるので、引き続き追っていきたいと思います。