面白さ迷子

・ことの発端

当ブログでは物語の「面白さ」について、稚拙極まりないものの、理論立てて記述することを試みてきました。

いや別にやめるわけではないです。中間報告みたいなものです。

ともかく、面白さについて論理的な記述を目指したのには、理由があるからです。最近流行の『氷菓』ではないですが、

「誰がなんと言おうと傑作は傑作だし、面白いものは面白いはずだ!」

というワガママな主張をしたかったからです。というか、自分の「面白い!」という感覚を論理的に裏付けたいからです。


定量化によるアプローチ

そのため、私はまず次のようなアプローチを考えました。

1、物語における「面白さ」を定義する
2、各作品における「面白さ」を解析する
3、それを定量化する
4、傑作についてその「面白さ」が他と比べて優れていることを示す

いかにも理系のやりそうなことですね……

とにかく、このアプローチに従って私は作品の面白さについて考えてきました。

結果としてはまあ、非常に荒っぽくではありますが、2まではどうもできそうな感じがしました。

しかし3は、全く歯が立たない。

定量的というのは定性的と対になる(?)考え方で、要するに数値化するということです。面白さたったの5か、とか、53万だと…!とか。

それを聞いてすぐにお分かりかもしれませんが、これはとても困難です。基準点も尺度もないためです。そもそもどんな面白さにどんな点数をつけるのか、定義しようがありません。

そんなわけで、この試みは早々に頓挫しました。


・相対的なアプローチ

次に考えたのは「作品ごとに比べていって、チャンピオンが傑作だ!」というもの。作品の面白さが何となく解析できるならば、分類して比較すればいいだろうと。

この考え方はかなり感覚にはマッチしているのですが、問題点は定量化のときと似てはいますが非なるもので「相対化したときに、じゃあ何をよいと言うか」ということです。

例えば同質の面白さを持つ作品を二つ並べたとき、それが全く同じ話ということはありません。なら、その二つの面白さの優劣はどうやってつければいいのか?

もっと言うなら、私はエンターテイメントという言葉をよく使いますが、このエンターテイメントという要素内で比較するとき、どうやって比較すればいいのか?

現在のところ、この辺で迷子になっています……

毎回くどいようですが、作品に優劣をつけようというわけではありません。作品自体に優劣はないと考えています。ただ面白さについて感じる差を論理的に説明したいんです。

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すみません、何も結論は出ていないのですが、自分の中で問題点を整理したかったので、とりあえず書いてしまいました。

まあ、あせらず地道に考えていきたいと思います……