K(アニメ) どこへ向かったのか
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2012/11/07
- メディア: Blu-ray
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※2節目以降ネタバレ
・豪華ライトノベル作家陣が脚本を担当した異色作
有沢まみず/古橋秀之/あざの耕平/壁井ユカコ/来楽零/鈴木鈴/高橋弥七郎
突然なんの羅列かと思われるかもしれないが、本アニメの脚本を担当した作家陣である。組織名としてはGoRAというようだ。アニメ化した作品を書いた方が半分くらいだし、分かる人なら全員分かるかもしれない。
それだけのメンツを揃えただけに、どんな作品になるかは注目していた。
ストーリーは、とある殺人事件で主人公が犯人という疑いをかけられて、その事件の謎に迫っていく……だとあまり説明できていないが、とにかく説明の難しい話であった。
何話見ても、どんな話として見ればいいのかよく分からないのだ。最後まで見た今も、その感じは変わらない。
雰囲気やネタ、キャラは面白いと思う。ただ、その面白さが話にあまり関係してきていないように感じるのだ。まずはその辺から考えてみたい。
・散りばめられたネタの数々
やはり目立つところで言えば、自動の掃除ロボットの台詞だろう。「かたじけない」「図が高い」「押してまいる」など、謎の台詞をまき散らしながら掃除している様は実にシュールだ。
後は淡島さんの謎のあんこ好きとか。ただのイケメンかと思われたキャラが師匠の語録をボイスレコーダーで撮っており、折に触れ聞き返すという奇行もあった。
話の流れで笑わせるというより、こういった現実にはありえないような一発ネタで笑わせるというのは、どちらかというとコメディタッチの作品に使われるものだと思っていた。
一方で張り巡らされた伏線や、殺人事件の影が付きまとうことによって、否応なくシリアスな展開になる。
別にどんな話かというのは、一つに統一されている必要はないのかもしれない。『コードギアス 反逆のルルーシュ』などは、日常と非日常を切り替えながら実にうまくやっていた。ただこの作品の場合は、リアリティを出したいのか、出したくないのか?が判断できなかったので、どんな話としてみればいいのか分からなかったのだと思う。
・主人公はだれだ……?
もう一つ話を捕まえ損ねた理由として、主人公がよく分からなかったことがある。
話の多くはシロを主人公として描かれるのだが、殺害のストーリーにはさほど絡んでこない。猫やクロもほとんど巻き込まれ型だ。ここにメインで関わるのは赤の連中で、青などは伏見以外ほとんど蚊帳の外に見える。
ラストシーンとしても、おいしいところを持って行ったのは赤で、シロが何をしたかったのかは定かではない。学校のメンツも描かれる必要性は特に感じなかった。
ヴァイスマンと中尉の話が後半少しクローズアップされていたが、さほど回収された感触もない。
そう考えると、この話は一体誰の話だったのか、というのもよく分からないのだ。この物語は何のためにこのように切り取られたのかと言い換えてもいい。
これは一つに、脚本家の人数があまりに多かったことが少なからず関係しているのではないかと思う。キャラクターや情報の伝え方、目指す方向性が各回ごとにどんどん変わっていくような印象を受けたからだ。恐らく、ネタが宙に浮いた感じになったのもこの印象と無関係ではない。
大人数で集まって一つの話を考える難しさを垣間見たように思う。
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いろいろ書きましたが、雰囲気を楽しむ分にはもしかしたら問題ないかもしれません。声優も豪華(と判断できるほどの知識もありませんが…)だと思いますので。
続編が決定しているそうなので、どんなものになるのかは気になります。